01 「予知夢」






 月が、青い。
 臥所を出てきた御名方守矢は、縁から月を見上げている。
 名状しがたい夢を見た。
 真っ青な月の夜。
 息の詰まるような青い光。
 溺れると思うほど周りが青色に埋められた…ただそれだけの、夢。
 目を開き、外へ出てみると、やはり、月は青い。
 天も青。水も青。
 遠きもの、全てが青。
 月の光。
 守矢はそぞろ思う。
 あれは導きだ。そのために人は、暗闇の中でも歩いていける。
 さやさやと降る青い光を、守矢は、いつまでも見つめていた。







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