46 「大丈夫」



 去年と同じみてえになっちまうな
 ううん、大丈夫。待ってるわ
 待ってるから



「大丈夫」
「うん…大丈夫」
 頭を抱いて。背中に手を回して。
 温もりを与え合うように深く抱き合う。
 自分を強くしてくれるのはこの暖かさであるのだと、己自身に言い聞かせるように。
 信じている。
 離れていても心の中、いつも想っている。
 いつでも、そばにいる…。
「待ってる…待ってるからね…京」
「ああ。ユキ…」
 息の止まるほど強く京はユキを抱きしめ──その手を、離した。




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